『思案』09 「アイドルとプロデューサー」

「アイドルとプロデューサー」

前編 『ニコマス』03 『アイドルマスター 「魔法をかけて」』 orgoneP
中編 『ニコマス』04 『アイドルマスター 君の知らない物語 秋月律子』 トカチP
後編 『ニコマス』06 『【アイドルマスター】“VERGE” PV【律子】』 えびP

※上記3つの動画の内容に触れる表記もあります。未視聴の方はご留意下さい。



なぜこんな連作記事を書いたのか、という振り返りのお話。

カズマさんの所で、「ストーリーPVについての覚え書き」なるものがありました。10/24の項。
『ストーリー系のPVってキャラ毎によく使われるテーマってのがあるよね』って話なんですが、
「春香はこう」「雪歩はこう」「千早はこう」って代表例を書かれてました。
で、「やよい、真、あずささん作品は少ない」とも書かれてました。
なのに律っちゃん完全スルー!
「もう、我慢できない! なら俺が書く!」と筆を走らせました。


いや…、まぁ時系列的に嘘なんですけど。
でも、おそらく、書いてみようと思ったきっかけは近いんじゃないかと勝手に想像。


モチーフだったり、象徴だったり、背景だったり。
各アイドルには、そのアイドルでしかありえないような『特質』が色々あります。
そういった『特質』が、それぞれのプロデューサーさんの心を捉えて離さないと思う訳です。
だからキャラによって、ストーリー系では特に、その特質が凝縮されていく、というひとつの見方。


最初は誰か特定のキャラが気になってアイマスに入るのが自然だと思いますが、
アイマスにはまればはまるほど、「要らない娘はいない」という感覚になっていきます。
でもそれは、必ずしも全てのアイドルを平等に好きになる、という結論ではなく、
みんなそれぞれに魅力的なんだけど、やっぱりその中でも――という帰結がある訳で。

   もっと言うと、各アイドルの中でもどこに魅力を感じているか、細分化も出来るはずなんですが、
   (いつも明るくて笑顔の春香は好きだけど、閣下とか要らない、とか)
   それやり始めるとすごいチャート図になりそうなのでやりません。


「春香」といえば? と質問した時、答は色々あると思いますが、
「765プロの中で、『転ぶ』と言えば?」とか、「『お菓子作り』と言えば?」とか聞けば、
まぁ間違いなく「春香」が出てくるのではないか、と思います。
『お茶』なら雪歩、『スポーツ』なら真。『ウェディングドレス』なら…あずささん?


……で。
今回表題に付けさせて頂いた3つの動画なんですが、共通点は「律子」と「メタ」です。
ここで言う「メタ」とか「メタ的表現」とかいうのは、簡単に言うと、
物語中の人物が、物語の枠を超えて視聴者、あるいは作者視点で考えたり話したりする事です。




【なぜ、律子なのか】

上記3作品を見ていると、時折、こんなコメントが見受けられます。

「(別キャラ名)でやってほしかった」
「律子じゃなきゃもっと伸びた」

個人的な感想を個人的な感想で否定するつもりはありません。以下は私の考え。

『これらの作品の主人公は、やっぱり律子が一番しっくりくる』

なぜなら、律子にしかない『特質』が、非常に『メタ』と相性が良いのだと考えます。
いくつかある『特質』を考えてみます。

765プロの中での律子の立ち位置は、口うるさいお姉さんだと思います。おおまかに。
長女のポジションにあるあずささんは圧倒的な癒しキャラです。
大らかでふんわりとしていて、大抵の事は「あらあらまぁまぁ」で受け止めてしまう。
自分より年上の姉がそんなだから、下の妹達を注意してしっかり育てるのは私しかいない、
という事で、律子はどうしても叱る役になってしまいます。
「私がしっかりしなきゃ」という想いが人一倍強いので、慎重に、考えすぎるくらい考え、
前へ前へ出ようとする妹達を止める役を担うことが多いです。

で、キャラクター性としてどうしても「物語の主人公として大活躍する」よりも、
「全体を把握して先を読み、自分を押さえつつ周りを見定める」役割に向いていると言えます。
アイマスクエストの律子、アイドルたちのオウガバトルの律子が、どのキャラに重ねられているか、
ジャンケン大会の律子、ぷよm@sの律子がとんな立ち位置なのか、
既にご存知の方も多いと思います。


また一方で、本編中の彼女の発言や行動も、この傾向を後押ししています。
本編コミュ『ある日の風景1』で律子は、「元々マネージャー志望で765プロに入った」と語ります。
その後、人手不足という名目の社長判断にてアイドル候補生となる訳ですが、
実際にはデビュー前からデビュー後も、765プロの事務仕事を手伝い、
また、最終的なエンディングでは、皆様ご存知の通りの道に進む訳です。

こういった背景を持つのは、まさに律子だけの『特質』ではないかと考えます。

また、765プロのアイドルの『目線』を考えると、
あるアイドルは自分自身の目的を果たすために、まっすぐ前を向いています。
またあるアイドルは、自分の想いの対象としてプロデューサーの方を向きたいのだけど、
そのプロデューサーの気持ちを掴む為に、と前を向いてアイドル活動を頑張ります。
結果的に他のアイドルは全て、プロデューサーの視線を背中に感じながら、
自分自身はまっすぐ前を向いて、アイドル活動に励みます。

ただ、律子の場合は少し違っていて、常に振り返りながら、
プロデューサーの周辺、プロデューサーの行動を見ている、という所があります。
それは想いの対象としてではなく、仕事としてのプロデューサー像です。

実際にプロデュースした事がある方はよくご存知だと思いますが、
ツンデレの代名詞的な伊織以上に、デレが無いのが律子です。
基本的に関係性が対等であり、自身のキャリアパスを細かく思い描いているせいで、
プロデューサーのあり方、行動、発言にもかなり手厳しいです。
ふと気を抜くと、いったいどっちがプロデューサーやら、というシーンも少なくありません。

ここで、「メタ」の話に戻します。

こういった律子の『特質』から、環境的な異変や、構造的な矛盾があったとしたら、
『最初に気付くのが律子』という構図は、比較的自然に受け入れられます。

メタ的な視点で簡潔に語るとしたら、
「ゲーム『アイドルマスター』の765プロのアイドル達の中で、
『自分はゲームの中のキャラクターかもしれない』
 なんて考えるとしたら、律子くらいじゃないか?」
という事です。

仮に律子が、「もしも」という仮定を積み重ねたとしたら、
プロデューサーの背後にもう一人のプロデューサー(プレイヤー)がいる――。
そんな事まで見抜いてくるような気がします。

そこまで考え、おそらくそれを確信し、自分を取り巻く運命を自覚して……
そう思いながら、掲題の3作品を、一つの流れとして組み立ててみたいと思いました。
「前編」を投稿した時点(10/11)で「中編」のトカチPの作品は投稿されてない、という、
恐ろしい展開ではあるのですが、このタイミングであの作品をトカチPが投稿してくれた、
というのはとても素晴らしい星の巡りであったと、深く感謝しています。




orgonePの『魔法をかけて』の中で律子は、必死に訴えかけてきます。
「魔法をかけてください」「私たちはまだ、踊り続けるのだから」と。

トカチPの『君の知らない物語』の中で律子は、目に涙を浮かべながら、必死で微笑みます。
「何度もあった事の筈なのに」「いつまでたっても慣れないんですよね…」と。

そして、えびPの『VERGE』の中で律子は、必死の思いで、「歪んだ回廊」に背を向けます。
望む全てを手に入れる為に、全てを失う運命を受け入れるのです。




やっぱり、この3作品の主役は律子であって欲しいと考えます。
私は、『律子である意味』を見出せたので、深く納得しています。

この動画はこのアイドルだからこそ意味がある!
と感じられる動画は、その視聴者にとってとても意義深い動画なのだと思います。
そしておそらく、その動画を作成しているPと、同じ周波数で共鳴できているんだと思います。
そして、その共振は、視聴者同士でも体感できます。そう、コメントという形で。

いろいろな想いが繋がり、共振する瞬間が、とても大好きです。
そしてそれは、ニコマスというプラットフォームでしか成し得ない感覚なんだなぁ、と思う訳です。
大切にしたいですよね。この世界を。

そんな、本当に色々な想いを込めて、記事を3つ連ねてみました。
上手く馴染んでない部分もあったかもしれませんが、勢いも大事! というスタンスで。

orgoneP、トカチP、えびP。本当に素晴らしい動画を、ありがとうございます。



    最近そこかしこで「ニコマス衰退論」とか「敷居問題」とかささやかれていて、
    「ふざけんなー!」みたいな意見がどんどん上がっていて、

    うわ、楽しそー、と思っております。なんか、いいですよね。こういうの。


    混ざりたいなー。

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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No title

 律子にある種の陰、みたいなものを感じるというのは
わりと多くの人が共通で持っているイメージなんじゃないかな、
なんて思いますね。
自分の容姿に対する自信のなさとか、裏方志望とか、
大人になりきれていない狭間の年齢とか。
頭が良すぎて損している部分とかも。
 でもそれが悲しみとか優しさとか、愛しさを生む要素にもなっている。
「LivE」という曲で、それが確信できました。
こんだけのものが溜まってたんだ、っていう。
そのへんに触れないと律子はただの委員長キャラ止まり、なのかも。
触れたらやけどするぜー! というキャラですかねw

これ、律子のストーリーもので、大好きなやつです。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6492810

期待してくれない律子だからこそ。計算を狂わせてみたくなる、なんてw

No title

『livE』は良い曲ですよね。
あのメロディも、歌詞も、本当に素晴らしいです。
アイマスのキャラクター毎に設定された持ち歌は、
本当にそのキャラの事をしっかりと踏まえていて、良いですよね。

そして、4thライブでの若林さんのパフォーマンスが更に良かったです。
迷わずブルーレイを買った要因のひとつでした。


動画のご紹介、ありがとうございます。
めくり魔Pの『しるし』は、完全にサムネに釣られた記憶があります。
いえ、中身も素晴らしかったので釣られた、という表現は誤りですね。
律子のその後。劇中の美希とやよいに、私もお礼を言いたいと思いました。

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プロフィール

ガルシアP

Author:ガルシアP
◎レッガー=●カブキ=カブトワリ

twitterでは “ gar_cia_P ”。

SS書いてましたが、
動画も始めて3年経過。
こちら、デビュー作です。


360版からアイマス界に参加。
ゲームもCDも中の人達も、
ニコマスもSSも、大好き。

Web-:http://garciap.web.fc2.com/
mail:underkoverloverz◆gmail.com

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